読み終えた本のレビューをボチボチと・・・。

- 作者: 原尻淳一,小山龍介
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2006/07/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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いわゆる考具な本。幾つか気に入ったIDEA HACKをメモ。
情報Hack
情報にはフロー情報とストック情報がある。フロー情報は頭に浮かんでは消えるアイデアだ。フロー情報はすぐに書き留めて、頭から忘れてしまおう(どっちにしろ覚えておくことは難しい)。頭をフロー情報を生み出すことに専念させるのだ。メモに書き留めたフロー情報は、一定のタイミングでノート等に整理する(=ストック情報)。
フロー情報を書き留めておく手段の紹介。
- 携帯電話のメモ機能
- 整理して残したいものだけPCへ
- ボイスメモ
- ワンボイス・ワンアイデアが基本
- マインドマップ
- 打ち合わせ時に思考が飛んでもついていける
時間Hack
スケジュール管理はPCで
PCでスケジュールを管理するメリットとして、
- 編集しやすい
- 間にスケジュールが入って順繰りにずれても簡単
- 色んな見方が可能
- 一週間、一ヶ月、三ヶ月
- 転記しなくてもいい
- 他人のスケジュールが見られる
が挙がっていた。Excelじゃだめだなぁ。専用ソフトが欲しい。つーか、プロジェクトでGTD使いてぇ。
スケジュールにはバッファを
スケジュールにはバッファを設けておく。1時間の打ち合わせには1時間半のスケジュールを割り当てておく。バッファが無いと、時間オーバーしたときにスケジュールがガタガタ。予定通りに終わったら、空いた時間で細切れタスクをこなす。バッファを設けることが段取り上手になるコツだ。
スケジュールとTODOリスト
15分以上かかる作業はスケジュールに、それ以下の作業はTODOリストで管理。大きなTODOはスケジュールに載せるか、細切れタスクに分割する。
スケジュールを見るときの期間
日常のスケジュールを把握するには、一週間単位でスケジュールをみるのが最適。一方、三ヶ月単位のスケジュールを見ると、自分の生活が仕事・自分・家族のバランスがとれたものか判断できる。2つの期間を上手く使い分けよう。週単位のスケジュール管理を習慣化して、日々の業務を安心してこなす。そんな日常の中で時々三ヶ月スパンのスケジュールを眺め、未来への展望を考える。それが良い刺激になって、アイデアを生み出す土壌にもなる。
アイデアとスケジュール
アイデアは予定通りには出てこない。スケジュール上に「アイデアを練る時間」を設けても意味がない。アイデアというのは、リラックスできる状態や通勤中だとか、そんな予定していない時に出てくるものだ。
整理Hack
書評
mixiのレビュー機能を使う方法が紹介されていた。他人の書評を並べてみることができるので、違う視点を獲得できるとか。mixiは放置してて使ってないのでピンとこなかったけど、ちょっと使ってみようかなと思った。でも、ここで書いたやつを移すのは面倒だなぁ・・・。
オリジナルデータベース
仕事関係で使えそうな情報を集めておいて、必要になったときに簡単に参照できるように整理しておく。データベースというのは、情報が整理され、いつでも取り出せる便利なツールである。しかし、データベースはあくまで情報を保管するだけ。データベースに加えて素材を物語として調理する「物語構想力」があって始めて、アウトプットにすることができる。「物語構想力+物語を肉付けするデータベース」の両輪が重要。
本棚をデータベースに
テーマで本をグルーピングして、グルーピングされた書物同士に関連を与える。つまり、Aグループの隣にBグループをおき、下にはCグループをおく。AとBやCは繋がる意味があり、「書脈」をなしているように並べる。
五感Hack
休息と栄養
思考は生理現象である。よって、できないときはできないのだ。つまり休息重要。睡眠の質を上げよう。10分ほどの昼寝をしよう。また、食事するときは炭水化物をちゃんととろう。ブドウ糖になって脳の栄養になるから。チョコレートバンザイ!(?)
スタイルとモード
スタイルやモードを上手く切り替えよう。仕事に入るスイッチとして、何かのちょっとした儀式をする。自分の場合、集中して作業をしているとき、髪をぐちゃぐちゃに弄って鳥の巣のようにしてしまうのけど、これは実は「集中している時」にしているのではく、寧ろ「集中して仕事をしたい」からやっていることに気づいた。「集中するための儀式」なんだろう。あと、最近お気に入りの儀式がある。ヤングジャンプで「ハチワンダイバー」という将棋の漫画が連載されていて、主人公が一気に手を読む時に、水に深く潜っていく様をイメージしている。私も一気に仕事を片付けたいとき「これから水に潜ります」って感じ大きく息を吸い込んで、ざぶーんと仕事のプールに飛び込んでいくイメージを描いていたり。
心地よさ
使っていて心地の良いものを使うこと。私が使ってて気持ちの良いものはMacBook、Moleskin、万年筆。気持ちの悪いものは掠れたホワイトボードのペン!
思考Hack
思考のルート
演繹法と帰納法の2つがある。演繹法は一つの結論に陥りがちである。一方、帰納法は可能性の思考だ。帰納法の場合、目の前に実際にある事象から、あーでもない、こーでもないと結論を探っていく。アイデアを考えるときは、帰納的な思考をしよう。断定的な考えも可能性を自分で狭めていることがあるので、気をつけよう。
対立軸
何かアイデアを考えるとき、二項対立を使うと良い。例えば「若い男性のファッション」を考えるとき、「男性<=>女性」や「若い<=>老いた」も視野に入れて、「若い女性のファッション」や「老いた男性のファッション」にも目を向けるとアイデアが広がる。
3要素
思考の対象を構成する3つの要素を探し出すと、対象に対する理解が深まる。「三権分立:司法・行政・立法」や「三大通過:ドル・ユーロ・円」みたいに。
イメージで考える
イメージを上手く活用してアイデアを出そう。抽象的な言葉は実態からかけ離れてしまうことがあるので、気をつけよう。例えば「最近の若者はダメだ」という良く聞く言葉。では「若者」とは具体的に誰のことか?頭に浮かんだあの人を当てはめてみる。そうすると、今度は「ダメだ」と断定することに抵抗が出てくる。つまり「若者はダメだ」というのは、単なるステレオタイプであることが分かる。これはアイデアの天敵。
イメージで考えるツール
- ポジショニングマップ
- 二項対立の軸を直交させて物事を分類
- マンダラートに2項対立を入れる
- 上下左右に2項対立のアイデアを入れて、四隅の枠には上下左右のアイデアを組み合わせたものを書き込む
- 今まで気づかなかった新しい情報の組み合わせが生まれる
- パワーポイントで一人ブレスト
- 大きな文字でスライドにアイデアを書いていく
- 一つのスライドに一つのアイデア
- 並べて眺めてみる
- シソーラスハック
- 類義語から思考を拡げる
- ハードディスクは宝の山
- 気になったWebページはひたすらハードディスクに保存
- 後でデスクトップ検索で検索する
- 自分が気になったものだけが対象なので情報の質が高い
発想Hack
真似る・盗む
リスペクトできる人の方法を真似るのだ!
彼のプレイをよく見て・・・盗めるだけ盗みなさい。そして彼の3倍練習する。そうしないと高校生のうちには、到底彼には追いつけないよ。
安西先生!!
分母を入れ替えて新しい価値を付加していく
北野武氏や中田英寿氏を例に説明していた。北野氏の場合、「お笑い→作家→TVの司会→映画監督→教授」と活躍するフィールドを変えていく度に自身の価値を高めている。しかも、活躍する場を変えても、全ての領域で活躍し続けている。
分母ってのがよく分からない言い回しだけど・・・、能力を発揮する場を増やすことで自分の価値の総和を上げるという方法だと理解。例えば、システム開発のプロジェクトマネジメント技術を、社内の組織改善活動で使ってみたりとか。
マトリックスを組み合わせる(SWOT分析)
SWOT分析というものがある。以下の観点で分析を行うフレームワーク。
- 内部環境
- Strength:強み
- Weakness:弱み
- 外部環境
- Opportunity:機会
- Threat:驚異
これだけだと単に情報が整理されただけなので、これらを組み合わせて戦略を考える。
機会 | 驚異 | |
---|---|---|
強み | 得意技で攻める | 攻撃は最大の防御 |
弱み | 創造的に攻める | つけいる隙を与えない |
新しい意味を生み出すには情報のかけ算が必要である。
目線を下げる
相手の知識レベルにあわせて物を語ること。読み手や聞き手を意識しよう。そのためには限りなく情報を削ぎ落とす。詳細は重要ではない。要点を掴むのだ。そして相手に合わせて変形し、要約する。
視点の入れ替え
視点を入れ替えることで、今まで違った見方・考え方を獲得する。例えば、スーパーに行ったときに客の立場ではなく、店長の立場になって眺めてみる。そうすると、商品の配置がどうだとか、気になってくる。
勝ちパターン
まず型を持つ。何かを成し遂げるための方法を持つことでパフォーマンスが安定する。また「やり方」に気を回さなくていいので、先を見渡せるようになる。次に型を破る。そうすると、それまでの型の良さが分かるようになる。型をより深く理解でき、そこい新たな発見も生まれる。
これ、ちょっと分かる気がする。いままでのやり方を変えてみて、しばらく試して上手くいってないことを改善してると、何故か元のやりかたに戻っていることも。じゃぁ、何も変わらないのかというと、そういうわけではなくって、何故そうしなければならないのかがよく分かっている。そうすると、それに従わなくて良いときも分かる。多分、「破」の段階へ進む準備ができた状態なのだろう。
ブランド理論
ブランドとは「変わっているけど変わらないこと」。変わらないものとは、そのブランドの本質的な部分である。変わる物とは、状況や時代、ターゲットに応じて適応していくものである。
この考え方は他にも応用できる。例えば上司が怒って何かを言ってきたとき。「怒り」という感情に注目しがちであるが、「メッセージ」に注目しよう。上司が言いたいことは何か?それこそが重要なのだ。
意志決定Hack
大切なこと
ペース配分をしよう。緊急性がないことは後回しにできる。重要かつ緊急なことに8割の力を注ぎ、重要だが緊急でないことは2割に押さえる。手が空いたら重要でない物を片付けよう。
会議
ゴールを設定しよう。ルールを設定しよう。ロールを設定しよう。ツールを用いよう。
議事録にはまず結論を書く。そして結論に至る過程の要約を書く。で、課題と宿題を書く。
上司
上司は経験をもった知的データベースである。意志決定を行う際のヒントボックスであり、自分を磨くためのJobトレーニングマシンとして利用しよう。
パレートの法則
80:20のやつ。仕事の8割はムダで、本当に大切なのは残り2割である。じゃぁ、仕事の価値を高めるためにも、この仕事は「2割」に入るものなのか意識していこう。本当に価値の高いを仕事をなるべく増やすのだ。
セレンディピティ・ポケット
セレンディピティ(偶有性)を取り入れるポケットを持つことが、アイデアをジャンプアップさせる重要な鍵。偶然起こったことに目を向けて、そこに意味を見いだすのだ。偶然に遭遇したとき、当初の目的とは違うものになってしまっても、結果としてよいものなら、そちらに方向転換できる勇気が必要。
メメント・モリ
死を意識すること。残り時間を意識すること。もし余命宣告されたとしたら、多分、人生におけるプライオリティを考えて、本当に重要なことをやるだろう。でも、余命宣告されてなくても、そうすべきなんだ。自分にとって、あなたにとって、本当に重要なことをやろう。それが人生を生き生きと輝かせてくれる。
予告ホームラン
これからやろうとすることに対し、結果を宣言する(予告ホームラン)ことは勇気がいる。だが、もし宣言通りに実現できたら、それは自身と実績に繋がる。結果を狙ってみよう。宣言してみよう。最後まであきらめないで、自分がやると決めたことに邁進しよう。
プライオリティとセレンディピティ
プライオリティを決めて、スケジュール管理もしっかりやる。いいことのようだけど、落とし穴もある。8割はそれで良い。だが2割は開けておこう。セレンディピティを受け入れる余裕をつくるのだ。だって2割の部分こそが、今までにない価値を生み出すところなのだから。あー、これGTDの本にも書いてあったな。