
- 作者: 稲盛和夫
- 出版社/メーカー: サンマーク出版
- 発売日: 2004/07
- メディア: 単行本
- 購入: 16人 クリック: 523回
- この商品を含むブログ (145件) を見る
仏教色が強い内容で、いつもなら忌避してしまいそうだったけど(宗教は苦手・・・)、ビジョナリーカンパニーな匂いを感じた稲盛さんの本なので読んだ。で、5万フィートに多大なる影響を与えましたよ。というわけで、纏め開始。
「思う」ということ
人生はその人の考えの所産である。その人の心の持ち方や求める物が、そのまま人生を形作るのである。
ビジネス的にみても、「思い」の力は重要である。やりたいことを隅々までイメージし、強く思い続ける。明確に・・・カラーでその状態を思い描けるほどにイメージできれば、必ずそれを実現することができる。やりたいことをイメージするときは、楽観的でなくてはならない。悲観的になると、イメージは萎んでしまう。楽観的に構想し、悲観的に計画し、そして楽観的に実行しよう。
あふれるほどの夢を描こう。これは飛躍へと繋がる。
原理原則
人生の方程式
人生や仕事の結果=考え方×熱意×能力
足し算ではなく掛け算。能力が100ある人でも熱意が20では2000。能力が60でも熱意が80あれば4800。能力だけではダメだし、能力が平凡でも熱意があれば非凡な結果を残すことができる。
そして重要なのが「考え方」。考え方にはマイナス値もある。能力と熱意があっても、考え方が邪だと結果もマイナスになるわけだ。これは能力や熱意が大きければ大きいほど、大きなマイナスに振れるので危険である。故に「正しい考え方」を持つことが重要となる。
熱意について
3つのタイプがある。
- 火を近づけると燃える可燃性のタイプ
- 火を近づけても燃えない不燃性のタイプ
- 自分で勝手に燃え上がる自然性のタイプ
不燃性のタイプは、時に周りの人間を冷やしてしまう。できれば自然性のタイプが良い。せめて可燃性のタイプであれ。自然性のタイプになるには、好きなことをやればいい。逆説的にいうと、仕事を好きになればいい。
美しい心
リーダーに必要なのは才よりも徳である。考え方を誤れば負の方向へ大きく進み出す。大きな才を持つほど、正しい考え方を持たねばならない。常に内省し人格を磨くべし。日々の労働によって心を磨け。
六つの精進
- 誰にも負けない努力をする
- 謙虚にして驕らず
- 反省ある日々を送る
- 生きていることに感謝する
- 善行、利他行を積む
- 感性的な悩みをしない
- 感性的な悩み: いつまでも不平をいったり、しても仕方のない心配にとらわれたり、くよくよしたりすること
三毒
過剰な欲にとらわれてはならない。
- 怒り
- 欲望
- 愚痴(ねたみ、そねみ、恨み)
利他
利己的にならない
視野を広げなければ利己に陥る。自分のことだけでなく、家族の事を考える。これは利他である。しかし、視野を一段上に上げてみると、家族のことだけでは外の世界に対して利己的になってしまう。常に一段上の視野で顧みよう。
足るを知る
際限なく求めることをしない。ある程度で良しとすることが大切。求めすぎると三毒に陥る。
足るを知るとは、現状に満足し何の新しい試みをしないということでは無いので注意。
因果応報
長いスパンで見ると、良い行いは良い結果を生み、悪い行いは悪い結果を生む。この世には結果に対する原因が必ずあるのだ。
運命というものも、確かにある。だが、因果応報の法則の方が若干強い。だから、良い行いを積むことで、少しずつ運命をも変えていくことが出来るのである。良い行いをするためにも、理性と良心を使って心を磨こう。
人のあるべき「生き方」を目指せ。明るい未来はそこにある。
感想
あんたは修行僧ですか、と言いたくもなるような内容だった。恐らく現代人の価値観とは、かなりずれているんだろうなぁ。でも、ここまで真っ直ぐに真剣に訴えているのが凄い。「正しい生き方」とは何か。真剣に考えさせられた一冊でした。豊かな人生を送るために、安易な近道な無いのだ。たぶん。