はじめての課長の教科書
posted with amazlet at 08.09.14
酒井穣
ディスカヴァー・トゥエンティワン
売り上げランキング: 725
ディスカヴァー・トゥエンティワン
売り上げランキング: 725
おすすめ度の平均: 






課長の役割とは、経営層と現場との通訳である。
これほど課長という職階の存在意義を正確に表した言葉は無いように思った。なかなか交叉することのない両者の価値観を、どう上手く擦り合わせていくか。これが課長の難しさでもあり、おもしろさなのかもしれない。
本書には、そんな課長として職務をこなしていくにあたってのヒントが満載されている。
そもそも構造的に難しい位置にいるのが課長だ。下からは経営層に対する不満(通常は「会社が〜」という言葉をとると思う)が日々上がって来る。その不満は、かつて自分も思っていた、あるは現在進行形で思っているようなことも含まれているだろう。一方、経営層からは厳しい数値目標だの、あるいは現場の持つ空気とはずれた方針(別にそれが悪いわけではない)などが提示され、どう実行すればいいのか頭を抱える。
要は会社のいろんなモノがConflictするポイントだと思うのだ。課長というのは。
だから基本的に難しい。ジレンマが最初からそこに存在するように思える。だが、だからこそ、エース級の社員が昇進して、そのポジションにつくのだろう。ジレンマから抜け出すことを使命として、そこに配置されるのだろう。
以下、読んだ時のメモを抜粋。
- 経営者はリーダー寄り、課長はマネージャ寄り
- いまいる人で、どう成果を出していくか
- 部長の部下は精鋭(課長たち)だが、課長の部下は玉石混合
- 成果主義だけでは人が付いてこない
- 昔ながらの家族的な方法で纏めることが求められる
- 例外に対処できることが役職の権威の裏付け
- 部下を守り安心させれば、部下はためらいなく悪い情報を報告できる
- 肩書きや立場から離れたオフサイト・ミーティングで結束を高める
- 人事評価は出来る限り全ての部下に高い評価を
- 社内政治を避けない
- 仕事が優位になれば、業績を上げやすいし、その分、部下も評価しやすい
- 課長は問題社員をあきらめる最後の人でなければならない