これ僕.com:行動分析学マニアがおくる行動戦略

意図と行動のギャップから生じる「不自由さ」への挑戦。果たして僕たちに自由はあるのか?

先に権限を与えるか、それとも先に実績を求めるか

これまでより責任のある仕事を、ある社員にやらせるかやらせまいか考えるときの話。
実績がない社員にまず権限を与えてみるのか、それとも実績が無いからリスクを回避してやらせないのか。これはどの立場から見るかによって、適切な回答が変わりそうだ。


仕事を任される社員の立場から見たとき、
「私はプロジェクトリーダーをこなす能力があるので、やらせてください」
とアピールするのはありだろう。しかし、実際にやらせるかどうかは、上司の判断に寄るだろう。もし、「君は実績が足りないからまだダメだ」と言われたならば、いま手にしているもので、より高い実績を出してみせるのが良いように思う。
あるいは、どういった点が不足しているから任せてもらえないのか、上司にはっきりと聞いてみるのもいいんじゃなかろうか。
「あいつは全然分かってない」などと上司のことを愚痴っても、先へは進めない。


一方、上司の立場から見たとき、
「実績がないから怖いので任せることができない」
というのはどうだろうか。いや、もちろん、リスクが高すぎるようであれば正しい判断なのだろう。しかし、リスクを過大評価していると、部下の成長の機会を奪っている可能性がある。
人は基本的にやったことしかやれるようにはならないわけで。確かにリスクを判断するのは大切なことではあるのだけど、リスクだけ見ていても先には進めない。どこかで、思い切って任せてみるという選択をとる必要があるんだろうな。


人を育てるのいうのは、機会を渡すことなのだと思う。「与える」じゃなくて「渡す」が感覚的には近い。権限委譲という言葉で表現してもいいかもしれない。
権限を与えられた人は、その権限の範囲内において、自分で考え、悩み、判断し、結果に責任を感じることになる。このプロセスを踏むことで、人は育っていくのかなぁ、と。
責任は俺が取る!とかいって部下に思い切りやらせてみるって方法もあるかもしれないけど、必ずしもそれが良いとは思えない。責任を感じる怖さがある中で判断をすることが難しいわけで、そこを越えていかなければ、本当に成長はできないのではなかろうか。成功体験を積ませるという意味では、「責任は俺が取る〜」もありかもしれないけど、それはあくまで準備だと思う。負わせる責任が大きすぎるのではれば、任せる範囲を狭くすることで調整すればいいんじゃないかな。


無論、そこには適切なフィードバックが必要なのは言うまでもないけど。本当は出来ていないのに、本人は出来ていると思っていることほど、成長を阻害するものはないから。