





これは面白いLifeHack。
本を1冊1分で読むという何とも大胆かつ胡散臭いキャッチコピーだけど、ポイントはそこじゃない。
本書の基本的な考え方は、短い時間で繰り返しインプットすることで、長期記憶への定着を狙うというもので、それを突き詰めた感じではないだろうか。
著者いわく、速読ではないとのことだが、これはその通りだ。本書で提示されている読書術は
- 重要なところを見つける
- 重要なところを4色の紙に纏める
がワンセットである。1分で終わるのは前者であり、読書として完了するのは上記2つのステップが終わったところではないかと思う。なんで、若干誇大表現だなぁ、とは思うものの、手法自体は非常に面白いし役にも立ちそう。レバレッジ・リーディング以来、私の読書に影響を与えそうである。
重要なところを見つける
理想的には見開きページ(つまり2ページ分)を1〜0.5秒で見ていく。そう、読むのではなくて「見る」のである。そんなペースで次々とページをめくりながら、重要だと「感じた」ページの端を折っていく。この作業自体は、200ページくらいの本であれば1〜2分で終了する計算だ。
最も最初からそんなペースで見ていくのは難しいので、本書では
- 1冊10分のペース
- 1冊5分のペース
- 1冊1分のペース
をワンセットとして訓練していくことを推奨している。
私自身、実際に試してみたが、そんなに難しくはない。レバレッジ・リーディングのように、ある程度早く読む手段をかじったことがあれば、すぐにやれてしまうのではないだろうか。
重要なところを4色の紙に纏める
個人的にはこちらがメインだと思っている。
1冊1分で重要な箇所に端を折ったら、次はその折った箇所を4色の紙に纏めていくことになる。ここで初めて「読む」ことになる。
4色に纏めるとは、読んでいったことを
- 最重要かつやるべきこと(赤)
- 重要かつやるべきこと(緑)
- 重要かつ後回しでいいこと(黄)
- 重要でないこと(青)
に分類しながらメモにしていくことである。一旦、メモにしてしまえば、そこからは非常にレバレッジがかかるようになっている。メモを読み返すにしても、より重要な部分が一目瞭然なので、そこを集中的にインプットしていくことができる。
更に、本書では4色のクリアフォルダを使い、メモ自体も4つに分類していくことを薦めている。そうすれば、赤いクリアフォルダ(最も重要なもの)は常に持ち歩き、隙間時間を活用して何度も繰り返し読むことができる、と。人生で100冊だけ本を選ぶとしたらこれ、というもののメモを赤いクリアフォルダに入れておけ、と。
このレバレッジの効かせ方が何とも素晴らしい。シンプルな手法ではあるけども、非常に効果的なのではなかろうか。