人間関係で嫌な出来事に遭遇した時、それは過去に先送りした問題を解決するチャンスを与えられている。
そんな不思議な話をセミナーで聞いたが、意外と辻褄が合っていて納得したので紹介してみたい。
私が行ったセミナーはこれ。
講師は心屋 仁之助さん。NLPを取り入れたセラピーを実践されている方らしい。
ちなみにビジネス選書セミナーは、色んな本の著者の講演を1回5000円で聴けるので、ありがたい。ランチェスター経営の竹田氏を知ったのも、このセミナーだった。
人間関係上の問題は、過去の自分に起因している
さて、それでは本題に入りたいと思う。
例えば、以下のような人間関係上の問題があるとしよう。
- あまり出来るとは言い難い部下がいて、真剣に仕事に取り組まない。不真面目に感じるところを見つけては指摘しているが、直そうと努力しているようにも思えない。イライラして仕方がないので、最近は放置気味である。
または、次のような。
- 直情型の上司がいるのだが、何かミスをすると激しく叱責を受けるので怖い。どんなことで怒られるのかも予想できないので、報告すべき事をついつい先延ばしにしてしまう。でも、これは上司の振る舞いに問題があるんじゃないだろうか。
他にも。
- 恋人は忙しく働いているのだけど、会う度に仕事の愚痴を聞かされてウンザリしている。あんなにネガティブなことばかり言われては、私も精神的に参ってしまう。いい加減にして欲しい。
と、まぁ、人間関係上の問題をあげようとおもえば、色々と例は浮かんでくるし、実際困っている人も沢山いるはずだ。
私たちは、何故、こんなにも他人の振る舞いを不快に感じ、腹を立てるのだろうか。
相手が悪いから?
それももちろん、あるだろう。しかし、それ以外の、それもとても大切な理由が別にあるようだ。
私たちの嫌いな人、あるいは不快な振る舞い。
それは過去、私たちが良くないと思い「捨ててきた性格や行動」なのだ。
自分ルールというフィルタが形成される過程
再び例を挙げてみよう。
- 子供の頃のある日、やらなきゃいけない宿題があったのだが、一方で今日発売された漫画がとても読みたかった。そこで、漫画を読んでから宿題にとりかかろうと、まずは漫画を読み始めたのである。しかし、それを見かけた母親は、激しく叱責し、「やるべきことをやってから、やりたいことをしなさい!」と怒った。
怒られた子供の方は母親の剣幕に恐怖し、「漫画読んでからでもいいじゃん!その後ちゃんとやるよ!」という言葉を飲み込み、「やりたいことをやるためには、まずはやらなきゃいけないことを終わらせないとダメなんだ。じゃないと怖いことが起きてしまう。」という性格(=思いグセ、決めグセ)を持つようになる。
こういった経験を経て大人になると、例えば会社などで
- やるべき事も終わっていないのに、頻繁に休憩をとったりお喋りをしたりする同僚・部下・上司に強い不快感を感じる
ということがある。
それはそのはずだ。自分の中で、「やってはいけないこと」としてルール付けされているのに、そのルールを破っているのだから!
しかし、このルールというのは、あくまでも「自分ルール」なのだ。なので、それを他の人が守らなければならない理由はないのだが、自分ルールのフィルタを通して他人をみるので、
- ルールに従わないダメな人たち
とカテゴリ分けしてしまうのである。
本当に解決すべき問題
嫌いな人や人間関係上の不快な出来事などは、このように意識的に、あるいは意識しないうちに身につけた数々のルールが影響している。
自分ルールは、本来、自然に持っていた欲求(言いたかった言葉)を捨て去ることで形成されている。
この状態は、本来の自分から、捨て去った欲求の分、ぽっかりと穴を空けてしまっているようなものだ。人間関係上の問題は、そのことに気付かせようと潜在的な意識が働きかけているものだとか。
だから、ぽっかりと空いてしまった穴を埋めることが、本当に解決しなければならない問題なのだ。
これを解決するためのステップとして、心屋氏の著書に書いてあったことを引用しておく。
Step-1 自分が反応し、すねているものを探す
Step-2 言いたい言葉をまとめる
Step-3 その言葉を言えなかった場面を探す
Step-4 「当時の相手のイメージ」に不満を吐き出す
Step-5 当時の相手を「特別に」許す
Step-6 嫌っている子どものころの自分に不満をぶつける
Step-7 そのころの自分を許し、抱きしめる
詳細は著書を参照いただきたい。
経済界
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このセミナーを聴いてから、私自身、次のことをやってみた。
- 今、嫌いだと思っている人や、不快な言動をする人は誰だっけ?
- 何が不快なんだろう?
- そういった類のことが不快になったのは、何がきっかけだっただろうか?
すると面白いように心当たりのある記憶が引っ張り出されてくる。ああ、これはあの出来事が発端になっていたのか、と。私があの人を嫌いなのは、この出来事を投影しているだけだったのか、と。
面白くも有意義な思考実験だった。
自分の心理反応の因果関係を明らかにし、表層意識上に上げることができるというのは、大いに行動に影響を与えるだろう。豊かな人生を送るためのヒントにしたい。