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これ僕.com:行動分析学マニアがおくる行動戦略

意図と行動のギャップから生じる「不自由さ」への挑戦。果たして僕たちに自由はあるのか?

柔軟に考え、自由に生きる

突然ですが…、
皆さんは自由に思考することができるでしょうか?



実は私たちの思考は、残念ながら自由ではありません。
思考も行動の1つなので、行動の原理・原則から離れることはできません。
すなわち、

『メリットのある思考は促されやすく、
 デメリットのある思考は抑制されやすい』


わけです。
何をメリットとし、何をデメリットとするかは、これまでの私たちがどのような経験をしてきたかに依存します。


私たちはこれまで生きてきた中で手に入れた経験や情報を、人生をより良いものにするために、上手く再利用することができます。
例えば、過去、しっかりとテスト勉強することで、良い点を取った経験が何度かあったとしましょう。
ところが、今回、いつもと同じように勉強したにも関わらず、あまり良い点が取れませんでした。
でも、それでもやはり、次のテストの時には勉強をするでしょう。
「良い点が取れなかった」という目の前の事実よりも、これまで上手くできたという経験を優先させてしまうんです。
このメカニズムを、ルール支配行動と呼びます。


ルール支配行動は、私たちにあまりにも多くの恩恵を与えてくれました。
私たちは、自分自身で作り出したルールや、他人から教示されたルールに沿って行動することにより、多くのことができるようになりました。
他の動物と比べて、圧倒的です。
ですから、私たちは自分が持っているルールに従うことに積極的です。


ルール支配行動の特徴は、

  • いま、ここで起きていること

よりも、

  • 過去の経験、知識から得たルール

を優先させることにあります。
この特徴があるから、面倒なテスト勉強等を頑張れるんです。


ただ、別の側面からルール支配行動を捉えると、「思考の硬直化」と考えることもできます。
過去、テストで何度も悪い点を取ってきた経験があるなら、今回良い点が取れたとしても、たまたまと思ってしまうかもしれません。
過去、何度も異性から避けられてきた経験があるなら、いま目の前の異性から好ましいメッセージを受け取っても、信用できないかもしれません。
過去、仕事で上司から怒られてばかりだったとしたら、いま、目の前の仕事にチャレンジしようとは思わないかもしれません。


目の前で起きているポジティブな事実よりも、自分自身のルールを優先させてしまうんですね。
だから、

  • 私が勉強を頑張っても、いい成績なんて取れないし…
  • 私は異性に嫌われるから、まともに話してくれるわけない…
  • 私は仕事ができないから、怒られないようになるべく大人しくしとこう…

と苦悩することになります。

皮肉なことに、ルールに従うことで、現実がルールに沿ったものになります。
勉強を頑張っても無駄だと思って勉強をしなければ、当然、成績は悪くなりますよね?
ルール通りの現実を、自ら作り出してしまいます。
結果、更にルールを強固なものにしてしまいます。


私たちはたくさんのルールの恩恵を受けると同時に、たくさんのルールに縛られています。
ルールによって思考は硬直化し、行動のバリエーションが低下します。
私たちは、もっと自分の持つルールと上手く付き合っていく必要があります。


ルールがあなたを縛り付け、苦悩させているのなら、そのルールの働きを弱め、「いまこの時」への感受性を高めると良いでしょう。
ルールに縛られてきたあなたにとっては、現実は、あなたが思う以上に希望を溢れたものです。
また、あなたをより良い方向に向かわせるルールの働きを強めれば、これまでとは違う現実を得るための新たなチャレンジを可能にするでしょう。


私たちの思考は自由ではありません。
しかし、「いまより」も自由に思考することはできます。
自由な思考は、あなたに柔軟性をもたらし、新たな行動を選択する余裕を与えてくれます。
これは過去の延長線上の未来ではない、新たな可能性への一歩ですね。