『どのような状況におかれたとしても、
その人が自身の価値に沿った行動を選択できるなら、
それは必ず力となり人生をより良いものにする。』
私たちの人生に行き詰まりをもたらすのは、常に「制限された選択」です。
問題に対処するために、あるいは何かを成すために、1つか2つくらいのパターンしか選択肢を持ち得ず、それらの「いつものパターン」を選択し、そして「いつもの結果」を得る。
これでは現実はまるで変わりません。
いつしか、私たちは無力感に苛まれるようになります。
ですから、私たちは新たな選択肢を持たなければなりません。
苦悩に基づく制限された選択ではなく、価値に基づく可能性のある選択を。
そのために必要なのは、第一に思考の囚われから抜け出すこと。
これについては何度か説明してきました。
その次に大切なのは、価値を明確に言語化することです。
今回は、その具体的な方法をお伝えすることにします。
そもそも、価値観とはどうやって形成されるのでしょうか。
それは「ああすればこうなる」という経験の積み重ねです。
どんな行動を選択した時に、どんな結果を得たのか。
それによって人はそれぞれに、自分らしい価値観を創り上げます。
そして、その価値観を具体的な言葉として表現することで、自分が大切にしたいことに意識的になり、行動の選択に影響を与えるようになります。
自分の価値観を確認する一番良い方法は、自分の過去の体験を振り返ることです。
歴史の授業でよくあるような「年表」を作ってみても面白いかもしれません。
いまの年齢から、少しずつ若い方へ遡りながら、印象的な出来事や経験を書き出してみます。
年表ができあがったら、
- 書き出した出来事・経験からいくつかピックアップする
- それぞれの詳細なエピソードを書く
- そのエピソードのどんなところが良かったのかを書く
- なぜ、それが自分にとって良い体験だったのかを書く
ということを繰り返していくと、「大切にしたいこと」や「在りたい姿」が見えてきます。
各エピソードから見えてきた共通点を纏めてみたり、仕事や家庭など人生の領域ごとの価値観を言葉にすると、随分とすっきりとするかと思います。
こういった価値観を掘り下げていく方法はいくつかありますが、どんな手段を使うにせよ、一度やって終わりにするのではなく、機会を見て繰り返しブラッシュアップしていくと、納得しやすい表現へと近づいていきます。
なかなかピッタリした表現が見つからなくても、最初はそんなものだというくらいの意識で取り組んでみてください。