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これ僕.com:行動分析学マニアがおくる行動戦略

意図と行動のギャップから生じる「不自由さ」への挑戦。果たして僕たちに自由はあるのか?

先延ばしの心理。もっと楽に、自分らしく行動するために。

今日は先延ばしの根本にある、私たちの欲求の話をします。
この欲求を上手く扱うことができると、私たちはもっと楽に、自然に、自分らしく行動できます。


私たちには様々な欲求があります。
お腹が空けば、何かを食べたくなります。
寒いと感じれば、暖かさを求めます。
仕事を頑張ったら、報酬を求めます。
恋人といる時は、愛を求めます。



2種類の欲求

どんな欲求を持っているかは人それぞれですが、欲求の種類は大きく分けると次の2種類になります。

  • 生まれた時から持っている欲求(生得的なもの)
  • 生きてきた中で形成された欲求(習得的なもの)


生まれた時から持っている欲求とは、主に私たちが生命活動を維持するために必要なものです。
生まれ持った欲求があるから、私たちは現在の環境に適応する行動を取ることができます。
生得的な欲求は、種として生存するための戦略ともいえるかもしれません。


一方で、私たちが生きていく過程でした様々な体験は、私たちに新たな欲求を芽生えさせます。
自己実現や成功、達成感、お金、名誉、幸せ、etc
私たちは個々のエピソードに基づいて形成された、多種多様な欲求を持っています。



先延ばしが起こる心理的メカニズム

ただ、この習得的な欲求は、ときに問題の原因にもなります。
個々の経験に基づいたものであるため、たまたま経験したことや、特殊な環境下で経験したことをもとに、欲求を形成することがあるからです。
それによって行動や思考のパターンを作るのですが、特定の環境下で得たものであるため、それ以外の環境になかなか適応できなかったりします。
そこで別の選択肢を取ることができればいいのですが、多くの場合は、選択の硬直化が起こります。
毎回、問題に対して同じパターンで行動し、上手くいかないという結果を手にします。


分かり難いので、例で説明しましょう。

  • 子供の頃、来客の際にはしゃぎすぎて、両親から酷く怒られてしまった。それ以外にも人の迷惑になる行動や、ルールから外れた行動を取ると、厳しく怒られ恐怖を感じた。
  • その結果、「正しく行動すること」への欲求が強くなった。なぜなら、そうしなければ怒られたり、非難されたりするから。
  • 正しい行動ができていると両親の機嫌が良いので、とても安心して過ごすことができた。そう行動できる自分も、好きになれた。
  • 年齢を重ね人間関係が複雑になってくると、色んな基準をもった人たちがいることを知った。非難されないためにも、相手が納得する正しい行動を取る必要があった。
  • 次第に、自分の願望よりも、他人の正しさの基準を優先するようになった。人間関係に息苦しさを感じ、一人でいるのが一番楽に思えた。


特定の環境において上手くいった戦略が、環境の複雑化に伴い、上手くいかなくなることが多々あります。
そこで戦略を変えることができれば良いのですが、一度身に付いてしまった戦略は、意識的にならないと変えることができません。
結果、現状に無力感を感じ、私たちは次の2つのどちらかを選択することになります。

  • 問題が起きる状況に近づかない、避ける(回避行動)
  • 問題から目を逸らして、気を紛らせる(逃避行動)

これが、所謂、先延ばしというやつです。



悪循環から脱出し、自分らしい人生を

先延ばしは、一瞬だけ感情が楽になりますので、とても繰り返しやすい行動です。
先ほどの例の場合だと、

  • 人間関係に息苦しさを感じるので、人とのコミュニケーションに消極的になる(回避行動)
  • 相手を非難することによって、自分の正しさを確保しようとする(逃避行動)

などでしょうか。
当然ですが、先延ばしを繰り返すことは、中長期的に問題を悪化させます。
かくして私たちは、ますます現状に適応できなくなっていくのです。


先延ばしによる悪循環から抜け出すには、自分の持つ欲求と向き合うことです。
幸いにして、習得的な欲求は後天的なものですから、変化させることが可能なのです。

環境への不適応をもたらす欲求を減らし、現状へ適応しやすい欲求を持つようにすると、行動は面白いように楽なります。


例の場合でしたら、

  • 他人基準の正しさに囚われていたことを発見し、それを止めることを決意する
  • 代わりに、自分なりの幸せであるとか、誠実さなどを新しい基準とすることを決意する

とすることで、もっと楽に、自然に、自分らしく行動できるようになるでしょう。


もし、今回お伝えした内容について心当たりがあるなら、自分自身の今の欲求と、それが形成された過程について、じっくりと向き合ってみることをお勧めします。