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これ僕.com:行動分析学マニアがおくる行動戦略

意図と行動のギャップから生じる「不自由さ」への挑戦。果たして僕たちに自由はあるのか?

決断には賞味期限がある。

時期的に区切りになるタイミングってのは、何かを決断したりすることが多いですよね。例えば新年になる時に、新たな気持ちで、よし今年こそは!というやつです。

何かを決めるというのは、よく意志の問題として捉えることが多いです。強い意志を持って何があろうともやり遂げる、ということなのですが、これに僕は懐疑的なのです。というのも僕自身、意志の力でもって決断を維持できたことはあまり無いからなんです。

ま、ぶっちゃけ意志が弱いんです。

今回は、そんな僕のような人に向けた内容だと思ってください。



さて、それでは改めて決断について考えてみましょう。

決断の意義は、「何かを決めて、それ以降、決断に沿った行動を積み重ねる」ことにあります。最初だけ決断するなら簡単なんですが、それは一時的にテンションが上がるだけで、人生に何らかの変化をもたらすものではないのです。

だから、意味ある決断というのは、"決断に沿った行動を維持する何か"とワンセットなんです。

それ以外の決断の仕方、させ方は、一時的なテンションアップにしかなっておりません。あんまり意味無いです。特に僕のような人間にとっては(笑)



では、どうやったら決断に沿った行動を維持できるのでしょうか。

それを考えるためには、まず「何故、決断に沿った行動を維持できないのか?」を考えてみると良いです。さぁ、ここは行動なので行動分析学の出番ですね♪


人が行動に積極的になるのは、そこに強化の原理が働いているからです。つまり、

(1)行動すると、短期的にメリットがある

という状態です。反対に、人が行動に消極的になるのは、そこに弱化の原理が働いているからです。つまり、

(2)行動すると、短期的にデメリットがある

という状態です。

ですので、一時的なテンションで行動してしまえるのは、決断した直後は(1)の力が(2)を上回っているからで、次第に行動が止まってしまうのは、徐々に(1)の力が落ちていって(2)の方が強くなるからです。

それだけのことです。


もう少し、深く考えてみましょう。

メリットとデメリットの正体について考えてみます。メリット、デメリットとは、僕達を取り巻く環境との相互作用によって得られた刺激のことです。

例えば、僕達が水を飲んだ時には、水が口内に入ってくる刺激や、喉を通っていく刺激を感じられます。その刺激がプラスに働く場合はメリットとなり、マイナスに働く場合はデメリットとなります。

どのような刺激をメリットとして捉え、どのような刺激をデメリットと捉えるかは、人それぞれです。

この人それぞれというところに、難しさと希望があります。難しさとは、誰かが上手く行動を継続できたとしても、それを自分にも適用できるとは限らないということです。希望とは、自分にとってメリットなる刺激を把握できれば、それを継続することに活用できるということです。



ここまでの話を纏めます。

  1. 決断はそれに沿った行動が維持されてこそ意味を持つ。
  2. 行動するデメリットがメリットを上回るため、行動がなかなか維持されない。
  3. メリット・デメリットは環境との相互作用から得られる刺激によってもたらされる。
  4. どのような刺激をメリット・デメリットと捉えるかは人それぞれ。

以上を踏まえて、意味のある決断をするためにはどうすればいいか?

メリット・デメリットが環境との相互作用で得られる刺激なら、環境をどう整えるかを意識する必要があります。決断したタイミングで、行動が維持されるしかない環境を作れば、自動的に決断も維持されていくことでしょう。


一番いいのは、不可逆な環境を作ることです。

例えば、会社を辞めるといった類のものが該当します。独立しよう!と決断して、テンションが高いうちに退職願を提出してしまえば、独立に向けた行動は維持されやすいかと思います。退職願を提出したのに、やっぱやーめた!というのは、大抵の人はデメリットを感じることでしょうから。

会社を辞めるほど大きなことでなくても、この人との約束は破れない・・・という人がいれば、その人と約束することは不可逆の環境を作ることになります。もちろん約束すればいいというものではなく、約束を破っても大丈夫だと思うような相手、内容なら、これは全く行動に影響を与えないことでしょう。

人によってはお金を払うことが決断になる場合もあります。お金を払ったから真剣に取り組もう、という感じです。ちなみに僕はあまりこのパターンでは決断できません。お金を払い終わったら、そのこと自体は忘れちゃうんですよね。


別の方法も考えてみましょう。

行動することでメリットを得やすい環境を作る、というのも決断を維持するには良い方法です。

数年前にレコーディングダイエットという手法が流行りました。

あれ、僕もやってみたんですが、非常に優れた方法でした。何が優れているかというと、取り敢えず効果がすぐに出るんです。だから、スタートするとすぐにメリットが得られる。メリットが得られるから、その行動が継続する。継続すると更に効果が現われてくる。

このスパイラルが上手く設計されていたので、すごいなぁと思いましたよ。(※ちなみにその時の体験談

変化を細かくキャッチアップするのも、メリットに繋がる刺激を得るために良い方法です。

取り組むものによっては、小さな変化が積み重なって、欲しい成果に辿り着ける場合があります。

例えば、ある方法でブログを3ヶ月更新し続ければ、ある程度アクセス数が伸びることが分かっている場合、ブログの記事を更新すること自体がメリットになります。更新日数みたいなものを記録することは、行動の維持に役立つかもしれません(人によります)。

ただ、メリット系の刺激は、その刺激に飽きてしまうと効果がなくなるという欠点もあります。僕がいま太ってしまっている理由です(笑)



さて。



ここまで読んでいただいた方は分かると思うのですが、決断を維持できる環境を作るのは、結構大変です。不可逆の環境なんて、そうしょっちゅう作れるものではありません。レコーディングダイエットのような優れた手法は、なかなかありません。

決断することの難しさは意志の強弱にあるのではなく、決断を維持する環境を手にすることの難しさにあるわけです。


それで僕は思うわけですよ!

決断には「賞味期限」がある。

と。

決断に伴って変えるべき行動というのがあると思います。で、

  • その行動を自分がどれだけ維持できるか?
  • その行動を維持する期間を延ばす環境は手に入れられるか?
  • どの程度、行動を維持できそうなものだろうか?

を考えていけば、決断の賞味期限が見えてきそうです。


また同時に意識しておいた方がいいのは、決断することをあまり重く捉えないことです。自己啓発や成功法則の文脈では、決断は人生を変えるなどと言うこともありますが、人生を変えるほどの賞味期限の長い決断は、そう沢山ありません。

しかも行動が維持できなかった時、君は決断できてないんだ、なんて言われ方をしてしまいます。行動分析学では循環論と呼んでいますが、この言い方はズルイです(笑)

つまり、

決断とは、"期間限定"で行動を変えるためのツール

なのです。そう考えた方が、多くの人にとって決断が有効なものになるでしょう。


決断するときには、決断が維持される刺激を環境から得られるような工夫もセットで考えてください。

その上で、決断の賞味期限は、殆どの場合、2週間~1ヶ月です。時々、3ヶ月くらい持つものがあります。稀に人生の方向を変えてしまうものがあります。

今からする決断(と環境の工夫)の賞味期限を意識して、その決断から何を得ることができるかを考えると良いと思います。



また、決断を目標と読み替えることもできます。
これから多くの人が新年の目標を立てることと思いますが、1年間の目標なんて立てない方が良いんじゃないかな、と。目標を達成することを決断しても、その決断には賞味期限があるので達成できません。

恐らく、2週間から1ヶ月程度で達成可能な目標がいいと思います。慣れてきたら3ヶ月くらいの目標にしましょう。

多分、人生はマラソンではなくて短距離走の連続です。短距離走だと考えれば、ずっと走り続けるのは不可能です。ある時は頑張って、ある時は休んで。

短距離でいいので自分を走る気にさせるために、決断なり目標なりを利用しましょう。