Q. やる気が出ないです。どうしたら、やる気が出るのでしょうか?
やる気って何でしょうね。感情のようにも思えます。やる気が出ない問題に対処する前に、まずはやる気について考えてみましょう。
僕の経験上、やる気の出なさ加減というのに、3つくらいのレベルがありそうです。
やる気が出ない度Lv1:面倒くさいなぁ…でも、やらなきゃなぁ…。(重い腰を上げて、どうにか取り掛かれる。)
やる気が出ない度Lv2:あ、こっちをやってから取り掛かろうっと。(先延ばし。やる気の出ないことをやらずに済む理由を探している。)
やる気が出ない度Lv3:はぁぁぁぁぁ…、もう嫌だ。布団に帰ろう…。(現実逃避。事態が悪化してしまい、現実を直視できない。)
こうして考えると、
やる気が出ないとは、
あることをやらなきゃいけないのに、どうにも行動に移せる心境にならない状態
と考えてもいいでしょう。行動することに消極的なんですね。
なんで消極的かというと、やるべき行動そのものに何だか嫌な感じや重い感じがする、といったところでしょうか。行動することへの何らかの負担感を感じているはずです。
本当はやらなくてもいいことだったら、やらなければいいだけですので、やる気が出ないな〜と悩むこともないのですが…、まぁ、そうもいきません。
やりたくないのに「やならければならない理由」がある
から、僕たちは自分のやる気に悩むことになるわけです。
では、その「やらなければならない理由」とは何でしょうか?
これは実は行動分析学の理論に沿って考えれば、概ね答えが出ます。僕たちのやりたくないけど、やらなければならない理由のパターンは、次の3つです。
- やらないでいると何か嫌なことが起きるかもしれないので、それを阻止するために行動しなければならない(嫌子出現の阻止)
- やらないでいると今ある良いことがなくなってしまうかもしれないので、それを阻止するために行動しなければならない(好子消失の阻止)
- 既に嫌なことが起こっていて、それをなくすために行動しなければならない(嫌子消失)
阻止や嫌子消失というメカニズムによって行動しなければならないとき、僕たちはやる気の問題と向き合う羽目になっちゃいます。
やる気が出なくて悩んでしまうことは、誰しもが持つ悩みでしょう。常にやる気MAXなんてのは、僕ら普通の人にとってはあまり現実的ではありません。
その前提で対策を考えたほうがいいでしょう。
僕たちにできることは、いついかなる時もやる気を出す方法を探すことではなく、やる気が出ない状態でも行動できる可能性を少しでも引き上げることです。やる気が出ない状態になる可能性は、誰にでもあるのですから。
ここでは次の3つを提案をしておきます。
1.トリガーの設定
- よくある手法です。やらなければならないことを、極めて簡単な最初のアクションへと落とし込みます。ノートを開くとか、パソコンを立ち上げるといった、自分にとってほとんど労力のかからないような簡単な行動です。これをトリガーといいます。
- トリガーを設定できたら、スケジュール帳等にトリガーを実行するタイミングを書いてしまいましょう。
2.気になることを整理
- あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ、そういえばあれも…、といったように頭の中だけでやるべきことに対処しようとすると、精神的に疲弊します。
- 頭の中の「気になること」は、極力頭で考えないで済むように全てノートなどに書き出ししてしまいます。
- 精神的な活力は、なるべく行動するために使うようにしましょう。
3.環境を変える選択
- 自分を取り巻く環境を変えてみることも、行動を促す要因になることがあります。カフェや図書館で作業する、誰かと一緒に作業する、ブログやFacebookなどで宣言してみるといった方法はよく使われます。
また、もし、やりたくないのにやらなければならないことが頻発するようであれば、人生の舵取りを少し検討してみた方がいいかもしれません。
僕たちの人生には、いろんな出来事が次々に起こります。さながらベルトコンベアーのように、次から次に出来事が流れてきます。どんな出来事が流れてくるかは、それまで自分がどんな選択を積み重ねてきたか、その結果、いまどのような環境に身を置いているのかによって、概ね決まります。
つまり、やりたくないのにやらなければならないことが頻発しているとすれば、これまでの選択があまり良いものではなかった可能性があります。
ちょっと時間軸の視野を広げてみて、自分が置かれている根本的な環境を改善することができないか、検討してみるといいでしょう。
目先のやる気問題をのらりくらりと躱しながら、中長期的には、やる気なんて意識する間も無い程、行動できちゃうようなことに取り組める環境を作れるといいですね。